TKG今日の一曲 たのしく現実逃避

つらい現実から音楽に逃げましょう

Nine Inch Nails - The Fragile

お久しぶりです。忙しさも一段落したのでしばらく精力的に更新を続けて行きたいと思います。

 
今回はNine Inch Nailsのアルバム"The Fragile"からThe Fragileを紹介したいと思います。
 
Nine Inch Nailsはアメリカのインダストリアルロックバンドです。インダストリアルロックとは何ぞやってなるわけですが、かなりざっくりいうと従来の人間らしい有機的なロックの対になるような、無機質でノイズノイズした感じの音です。
 


Nine Inch Nails - The Fragile - YouTube


この曲、というかこのアルバムの凄いとこって、やってる音に対しての"The Fragile"っていうネーミングだと思います。 
 
Fragileは脆いって意味ですが、日本語の「脆い」以上に人間よりはモノに使うことのが多い言葉です。こんな風なシールを郵便物に貼ったりね↓
 
 

 
 
要するに人間をある種の壊れ物のようにとらえて歌いあげてるのですが、ヴォーカルは至極人間らしく叫ぶように歌っていて、でもバックの演奏は機械のような無機質さがあるっていう不思議な調和で成り立っているとこがスゲェんじゃないかと
 
 
顕著なのがドラミングで、フィルインらしいフィルインをなるべく省いて、徹頭徹尾周期的で対称的なフレーズを叩いてる感じです。録音の上に多分エフェクトをかけているのか、ドコドコというよりはガタンガタンっていう音作りなので工場とかを連想する音です。
 
 
昔は雄叫び系のしょーもないアメリカンなロックだろとか思って聞かず嫌いしてたのがホントに申し訳ない、面白い音楽です! オススメ!!


 
 
 

 

 

コンテンポラリーな生活 - 嫌々々々、 ピンポンダッシュ

更新できるときに更新するゾー TKGと申しますどうも。

 

今回は日本のインディーバンド、コンテンポラリーな生活の二曲を紹介しようと思います!

 

コンテンポラリーな生活は大阪出身の3ピースバンドです。高校の軽音部で結成してからずっと同じメンバー構成でやってるんだとか。

2012年にはオーディション枠でサマーソニックに出演!相当な実力派バンドです。

 

 


【コンテンポラリーな生活】嫌々々々【MV】 - YouTube より

 

いやー度胆抜かれました。嘘つきバービー、八十八カ所巡礼に通じるようなヤバイ系の、音圧より音の絡み合いで構成する感じの3ピースっぽい曲です。

でもヤバさはワクワクを煽る程度に抑えて、ポップで聴きやすい感じに丸くしてるセンスが凄いです! ベースの藤田 彩さんの叫んでそうでなんだか気の抜けているコーラスも絶妙です。

 

 


【コンテンポラリーな生活】ピンポンダッシュ【MV】 - YouTube より

 

こちらはもっと正統派(?)な感じの清涼感のある曲。

でも細かいとこが物凄く凝ってるなーっと思います。まずイントロ。すげーセンスっとしか言いようがないです。

最初の間奏のブリッジミュートのフレーズ、何度か絡んでくるベースのワウ、随所に入れてるストップ…とても挙げきれないくらい音楽的なカラフルさに溢れてて、何度聴いても飽きない、とっても丁寧に作られてるなあと感じます。

 

「君の善悪はどこへ行った?」ってとこの真顔な感じもとっても好きです。

 

奥田民生の音楽とかとも共通する歌全体に漂う精神的余裕というか、夏目漱石の『吾輩は猫である』のような高踏派っぽい表現は、知性だとか教養だとかをフル活用しないと出来ないことだと思うので、それをサラッとやってるこのバンドはホントにスゴイ!今日見つけたばかりですが応援しようと思います!(紹介じゃねえなこれ)

 

ジャケットのセンスもいい…

Airiel - Sugar Crystals (2007)

今回紹介するのはアメリカのインディーバンド、Airielの"Sugar Crystals"です。

 
  

Airielは1997年結成、シカゴ出身の4人組バンドです。My Bloody ValentineやRide等のシューゲイザーにめちゃくちゃ影響を受けたギターロックをやっているバンドなのでアルバム内の他の曲はまぁ所謂バンドっぽい曲が多いのですが、Ulrich Schnaussが作曲に加わったこの曲は少しアルバム内でも毛色が違っていて、ドラムンベースっぽいリズムに乗せたアンビエントって感じの音楽です。

(ちなみにUlrich Schnaussアンビエントテクノ界隈で有名な人でたくさん作品を出しているので、Aphex Twinとかが好きな人にはめちゃくちゃおすすめだったりします。)

 
 
 

この曲の良さは実は音だけじゃなくて、PVがものすごく良いのです。このPV見てなかったら自分も頑張ってこのCD買ってなかったんじゃないかって思うくらい。

(余談ですが、数年前このCDを都内のタ○レコで購入しようとしたとき、渋谷、新宿、池袋の各店舗を探してもなくて諦めてアメリカAmazonで購入しました。確かに最近のシューゲイザーは真新しさに欠けるのかもしれないけど、置いてくれてもいいのにと思ったりしました)

 
 

PV↓


Airiel - Sugar Crystals - YouTubeより

 

動画に出てくるのはどれも第二次大戦前後のアメリカに関するもの。歌の内容と直接関係しているわけでもなければ、その時代について何か物申すわけでもなく、ただバーっと流して懐古に浸らせる感じがすごくオシャレで知的だなって思ったりします。

 

ちなみに橋が揺れて壊れる映像はワシントン州のタコマナローズ(Tacoma Narrows)橋倒壊(1940年)について、家屋が吹き飛ぶ映像はネバダ州の核実験場で1953年に行われたアップショット・ノットホール作戦についてのモノで、どちらも良くも悪くも当時のアメリカらしい象徴的な出来事です。(映像の他の部分について何かわかる方は是非是非コメントお願いします)

 

Ulrich SchnaussのきらきらなシンセとVo.の相性がとっても良くて、時間の洪水のような(なんだそれ)ノスタルジックで何度も繰り返し聞きたくなる素敵な曲だと思います。

 

MBVがバカ売れして以降特に、シューゲイザーにはセンスだけでなんとなく響きのいい音を作った感じの、音楽的に面白味がないものが多かったりするのですが、Airielは叙情的なメロディ作りにとても長けた質の高いバンドだと思うので、アルバム全曲おすすめです!

 

ちょっと触れた通り入手性はとっても低いのですが、今の時代探せばまあどうにか手に入ると思うので、是非!

 

 

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Airiel / Battle Of Sealand

くそぅ!…くそぅ!…

ブログ継続の難しさたるや…

 

一曲単位に絞っても書きたいことは色々とあふれ出てきてしまって、まとまった時間が取れないと更新する勇気が出ないという現状です。

 

とりあえず(?)twitter初めてみました。 こっちでもっと気軽に更新もしていけたらなみたいなね。→@tkgmusic

 

曲の紹介・レビューに限らずプレイリストをシェアしたら面白いんじゃないかとか最近思ってます。脳内であばれてるだけで具現化しないモーソーですが

 

一人でチビチビ飲むときにかかってたらうれしくなるようなプレイリストを作成中です。近日中(n<30くらい)に公開できたらなって思ってます。

ではでは

BUMP OF CHICKEN - 太陽

今回はバンプオブチキンのアルバム『ユグドラシル』より、『太陽』という曲を紹介します。

 

バンプオブチキンは今や日本のポピュラーミュージック界を牽引している大御所であります。1994年に千葉県で結成して今までに7枚のアルバムをリリースしています。

ユグドラシル』は2004年リリースの彼らの4thアルバム(メジャー2nd)です。個人的にはこの作品が彼らの最高傑作だと思っています。

 

 


Bump Of Chicken - 太陽 - YouTube

 

ちょっと怪しげな非公式動画ダァァァァア(写真はとても素敵)

 

この曲はBUMPの中でも1, 2を争う大好きな曲です。というのも、この曲の中でvo.の藤原さんは自身の「ジャンルに特化せず、だれもが楽しめるという意味での童謡を作りたい」という理念を一番きれいに表現できている気がするので。

 

BUMPは文学的な歌詞をどこか暗さのある曲に乗せて歌うというスタイルを日本に広めた立役者であり、自分の中では和製R.E.Mみたいな位置づけだったりします。

(BUMP好きでREM聴いたことない人は是非聴いてみてください。"Losing My Religion"とか特にオススメです)

 

でも歌詞の解釈は本当に人それぞれだと思うし、歌詞ってもの自体リスナーが解釈出来るように作られている場合と、作詞者自身の行き場のない苦悩だとかが断片的にブチ込まれてる類いのものがあると思うのであえてここでは触れません。いろんな解釈が出来る興味深い歌詞だと思うのでじっくり聞いて欲しいです。

 

ここでは音のほうに注目したいと思っています。

 

この曲はホント巧みだなって思うところがいくつかあるんですが、まず凄いのが最初のサビでいきなりドラムパートがなくなることです。

 

ちょっと曲作りとかかじったことある人ならわかると思いますが、最初のサビでドラムを抜くってのはなかなか勇気いりますよね?曲の全体の構成を相当練って初めて出来る鬼の所業であります

 

ふつうはそれでバランスが悪くなっちゃうところを、どうにかしているのがアルペジオです。そのあとのサビにも出てくるフレーズなんですがリスナーがリズムキープ出来るように少し大きめの音量でミキシングされています。

 

そして一番最後のサビの前半もドラムがありません。歌詞も呼応した作りになっているので色んな解釈が捗りそうですね。

 

もう一つ面白いのが、3:05辺りからの童謡チックなフレーズの差し込み方。

 

突然始まる童謡的な歌なのに曲全体の印象に違和感を与えていないのは、ひたすら上がっていくベースのお蔭なんじゃないかと思っています。ロックっぽい盛り上げ方の手法が童謡の穏やかさに中和されて、今まであまり聞いたことの無いような音になっています。

 

そしてこの童謡フレーズは曲のアウトロの伏線になっていたりもします。アウトロではメインの(曲の最初から続いている)流れと、このフレーズがそのまま重ねられて、ポリリズムが使われている曲のような複雑なリズムの絡み合いがブアーっと流れてきて、でも割とあっけなく終わります。いやあ面白いっす。

 

曲構成、フレージング、音作りのすべてが最後はVo.の藤原さんの優しそうだけどどこかヒステリックな声質と上手く絡みあって最高な感じになっています。

 

 

このアルバムを買って最初にこの曲を聴いたときって、たいていの人が「なんだこの暗ぇ曲」ってなって、もっとキャッチーな次のロストマンに行っちゃってると思います。

でも何遍かアルバムを流しっぱにしたりしてこの曲が耳に馴染んでくると曲全体の構成が頭に入って落ち着いて聞けるようになるかな みたいな所謂スルメ曲です。作ってるサイドもこの曲に関しては相当聞いては直してのプロセスを経てるだろうと思うので、耳にフレーズが染みついた状態で編集をしたのではないかと思います。リスナーが体験する「スルメ曲」的な感じはある種計算されているのかもしれないけど、同時に偶発的なものなんじゃないかと思います。

 

スルメの中でも旨すぎるスルメな曲なので、聴いたことがない方は是非是非。

 

 

Tool - Forty Six & 2

最近ドハマり中のToolの一曲を紹介します。

 

Toolは1990年にアメリカのロサンゼルスで結成されたバンドです。便宜上Alternative metalというジャンルに分けましたが、あんまピンと来ないと思います。

 

Forty Six & 2は彼らの2枚目のアルバムであるÆnimaに収録されている曲です。以下Youtube ↓

 


Forty Six &amp; 2 - Tool - YouTube

 

タイトルの46&2は染色体数から新人類の出現を予測したDrunvalo Melchizedek博士の説に基づいているそうです。門外漢のトンチンカン解説をざっとすると、現在の人間は22+1で23対の染色体をもっているが、染色体数異常によってより多くの遺伝情報を持つ(23+1対)新人類が生まれるかもしれないよ みたいな話です。

 

また、歌詞の中で出てくる"Shadow"はユング心理学の用語の一つで、人間の自意識の外にある精神領域をさします。たいていShadowは自分が認めたくないようなネガティブな部分であり、日常生活の中では隠れていることが多いとされます。夢や、集団心理が働くような特定の状況でShadowは表に現れ、独立したもう一つの人格のように振る舞います。

 

…とまあ少々コムズカシイ内容が題材となっている曲なのですが、歌詞をすべて無視してもなお楽しめる音楽です。

 

90年代アメリカということもあり、基本はDeftonesAlice in Chainsのような重ためでダウナーな曲調なのですが、Toolが独特なのは各楽器のリズムや絡み合い方がとても幾何学的なところです。リフの刻み方やドラミングに数列などの数学的な規則性が散りばめられていることが多く、音楽をしっかりやっている人にとっても新鮮味があってワクワク出来るのではないかと思います。

ギター・ベースのスケールがたまにエスニックなのも相まって、神秘的・呪術的な音楽です。部屋を真っ暗にしてぼーっとしながら聞くのが最高です。

憂鬱な気分で明るい調子の音楽をあまり聞きたくないけど少し現実と距離を置きたいときなどにおすすめです。瞑想みたいな感じです

 

ドラムの変拍子などまだまだ語りがいのある曲なのですが今回はここら辺で。7/8になってるとことかはすぐわかると思います。

のちのち追記という形で触れたいと思います。

 

P.S. 心理学に詳しい方はぜひ補足コメントよろしくお願いします!

 

今後の指針

お久しぶりです。TKGです。

 

ブログの更新とはなかなか大変なもので、大した字数でなくても一定の元気さがないと開くのも億劫で継続して上げ続けられないものですね。

 

とはいうものの、ディスクレビューを続けてゆくゆくは読者を勝ち取り、好きな音楽について情報交換をしあえる場を作りたいという野心はまだ消えていないので、2015年は全力で定期的な更新をしていきたいと思っております。

 

なので、とりあえず当分の間はアルバム一枚単位のレビューから、一曲単位のレビューにして継続性を高めていきたい所存です!

 

皆様これからもよろしくお願いします。