TKG今日の一曲 たのしく現実逃避

つらい現実から音楽に逃げましょう

Psysalia Psysalis Psyche - Matin Brun (2009)

今日は日本のロックバンド、Psysalia Psysalis Psycheの1stアルバム"Matin Brun"を紹介します。

 

Psysalis Psysalia Psycheは2005年に結成されたバンドです。ギタリストの松本亨が、毒クラゲの一種であるカツオノエボシ学名"Physalia Physalis"を見て、サイケの"psy"だ!と勘違いしてしまったことがバンド名の由来だとか。

残念なことに2012年春に解散してしまった彼らですが、彼らの音楽が色あせることは当分ないんじゃないかと思います。

 

イメージはナイーブでオシャレな不良 かな?

彼らは、BUMPやRADの流行以降草食系が主流になった今の日本のロックに、久しぶりに荒々しいロックをかなーり繊細に提案してきたような感じです。

 

 

#8 Butch & The Sundance Kid



Joy DivisionThe Horrorsの耽美な重々しさを、日本人的なメロディーセンスで噛み砕いてなおかつ日本語で歌っちゃう感じです

演奏面では、基本的にガレージロックの荒々しさを出していますが、ドラムのパターンだとか、二本のギターとベースの絡ませ方で実は相当気を使っている印象を受けます。

洒落っ気的な意味では、PlasticzoomsやLillies and Remains辺りともだいぶ共通する感性が見受けられますが、ダントツで退廃的なのはコイツらだと思います。めちゃくちゃスレていて、良い。

 

#3 Marvelous Song ではヘビーロック的なコード進行をガレージロック的な音作りでギターが弾き、ドラムはトリッキーなリズムを刻んで、そんでボーカルは気だるそうに叫ぶ

なかなか他のバンドの楽曲に例えられない恐ろしい曲です。

 

 

#11 Titan Arum

 

この曲ではシューゲイザーを絡めている。すごく新鮮な絡め方です。

 

UK indieを熱心に聞いている人にとってどストレートにウケるのは恐らくPlasticzoomやLilliesだろうし、かといって今の邦インディーロックのバンドで似ているバンドは思いつきません。

コイツらの需要はあまりにニッチ過ぎてダメになってしまったのかもしれません。 

 

数年して、Lillies辺りがだいぶ売れてきて似たようなフォロワーバンドが多々出てくるときになってようやく、このバンドの独特な魅力が再評価されるんじゃないかとひたすら期待しています。

 

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Foals - Antidotes(2008)

さて、今日はUK Rockを牽引していくバンドになるであろうFoalsを紹介します

 

Foalsは2005年にイギリスのオックスフォードで結成されたバンドであります

Antidotesは彼らのファーストアルバムで、当初はDave Sitekがプロデュースする予定だった。しかし最初のマスター音源を聴いてメンバーは「グランドキャニオンで録ったみたいだ」とこれを拒絶。急遽自分たちでミキシングをやることになったそうだ。

 

Math Rockというジャンルで語られることの多い彼ら。Math Rockというジャンルは日本ではあまり普及していないが、彼らの曲を聴いてみればなんとなく何が言いたいのかはわかるはず。

 

#6 Balloons

 


Foals - Balloons (OFFICIAL VIDEO) - YouTube

ギターの単音フレーズや複雑なドラムフレーズを、針金細工のように他のパートと絡めて、図形を描いていくようなイメージ

 

フレージングや曲の構成がとても計算されている印象を受けるのもMath Rockらしいということだろう。

 

 

#8 Two steps, twiceのライブ版音源であります↓


Foals - Two Steps, Twice Live at Glastonbury 2013 ...

 

安易な盛り上げ方をしないクールさがとても良いですね。そしてドラマーイケメン

 

ちなみにこのアルバムは本国イギリスではアルバムチャート3位を記録したとか

かなり独特な音楽をやっている彼らが評価されるイギリスはある意味恐ろしい国ですね。うらやましい

 

 

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Spacemen 3 - Sound of Confusion (1986)

さて、期間が開いてしまいましたが二枚目、ということでSpacemen3のデビューアルバムを紹介していきましょう

 

Spacemen 3は1982年にイギリスのラグビーにあるアートカレッジで出会ったPeter KemberとJason Pierce によって結成されたサイケなバンドです。

 

彼らはミニマルなサイケに定評がありますが、今日紹介するアルバムにはガレージロック的な荒々しさがだいぶ残っています。

 


Spacemen 3 - Losing Touch With My Mind - YouTube

 

アルバム一曲目のLosing Touch With My Mindです Youtubeさんありがとう

 

相当シンプルな作りなのにドラッグの酩酊感だとか、バンド名の通りのSpacemenな雰囲気が伝わってきますね。

そして荒々しいのにクールさとも共存していて、絶妙なセンスを感じます。

 

 

#3 Rollercoasterはthe 13th Floor Elevators, #4 Mary AnneはJuicy Lucy, そして#5 Little DollはThe Stoogesのカバーです。デビューアルバムとは到底思えないオリジナリティでこれらの曲を噛み砕いてカバーしている辺り、やはり只者ではないなー。

 

シューゲイザーの文脈でこのバンドの名前が挙がることは少ないのですが、彼らの作品にはシューゲイザーの要素も多く、その手のバンドが好きな人にはとてもオススメしたいです。

 

歌というよりは環境音楽に近いアプローチなので、好みは分かれるかもしれません。

 

しかし何より、このアルバムの酩酊感とダサくはならない適度なやさぐれ感は晩酌にぴったりなので、是非是非。

 

 

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My Bloody Valentine-Loveless (1991)

今回は一番好きなマイブラLovelessについて。

 

My Bloody Valentineアイルランド出身で1984-1997年にかけて活動したバンドである。

 

おどろおどろしいバンド名はメンバーがたまたま見た同名のB級ホラー映画から来ているとか。 あまりに音楽性とかい離していてメンバーは後悔しているそうだ。

 

今作は彼らのキャリアの中でも最高の出来だとよく言われている。

所属レコード会社のクリエイションを潰しかけながら約二年かけて完成させた恐ろしいアルバムだったりする

 

#1 "Only Shallow" の耳に残るリフから始まり、#3Touchedまで一続きのドロドロジュワジュワ

そしてそこからの#4 "To here knows when" が素晴らしい。綺麗なコード進行が若干の不協和音と共にディストーションにかけられ、きらきらしたシンセの音がそえられている。アルバムジャケットをそのまま音にしたような曲である。ピンクの霧のなかでぼんやり一人佇んでいる気分になる。

 

#5 "When you sleep"からは少し調子が変わり、オーガニックな柔らかさのある曲調になる。リフにどこか退廃的な雰囲気を感じる。

 

#6 "I only said"のゆったり感は凄まじい。後のシューゲイザーバンドもこぞって使った、リバースゲート+アーミングのゆらゆら奏法(勝手に名前つけてごめんなさいKevinさん)が退廃性を抜群に表現している。アルバムを最初から通して聴いていると、ここら辺でもうバスやら電車やらに突っ込んでいいような気分になってくる。

 

  

アルバム全体を通して、ディストーションでの歪みがじゅわ感を出して甘酸っぱい雰囲気を醸している。Rideなどが使う、コーラスをガンガンにかけて生まれるメランコリックさはさほどない。が、このアルバムはコーラス感が出すぎていないからこそよいのではないかと思う。

 

後のシューゲイザーバンドには轟音任せでコード進行がひどいバンドもあるが、Lovelessはもとのコードも綺麗で洗練されている。

 

とにかくオススメ

 

 

 

 

 

 

 

始めに

初めまして、Atergatisと申します。

このブログでは邦楽、洋楽問わず心に残ったものを紹介していきたいと思います。興味の中心はBritish Rock(とくにニューウェーブ、シューゲイザーなど), 環境音楽などです。

紹介する音楽はリアルタイムで触れていないものが多いと思います。老若男女問わず、「昔はこんな音楽もあったのか」「今の人はあの時の曲をこんな風に受け止めるのか」というようないろいろな読み方が出来るような記事を書いていくつもりです。

 

ではでは